激動の始まり

こんにちは。悠悠北海道の高橋です。11月号のテーマは「激動の始まり Vol.159」です。
(*本メールマガジンは、悠悠北海道のクライアント様向けに毎月お届けしている報告兼情報発信です)

<冬のインバウンド見込みについて>
最近よく「今年の冬のインバウンド見込みはどうですか?」と聞かれます。すべてを把握しているわけではありませんが、10月26日から始まった新千歳空港の国際線冬期就航を見れば、はっきり「増えます」。来ます。

今年は大阪万博の影響で、海外航空会社が関西国際空港便を優先し、北海道便を一時調整していました。その調整が終わり、北海道便が再び増加。冬の観光人気も相まって、インバウンドは大きく伸びる見込みです。

●具体的な増加予測

・新千歳空港の定期就航便:
  現在の32便/日 → 2025年12月には46便/日へ(約44%増)
・1月下旬~2月下旬:
  チャーター便の運航により、2月6日~23日は最大6割増の見込み
・成長期待地域:
  韓国・台湾は頭打ち傾向 → 中国・東南アジア便に期待
  欧米豪では、現在はカンタス航空(豪) → 来年にはFINエアー(フィンランド)の復活も視野

●注目のポイント:羽田経由のレガシー便

新千歳空港の増便はLCCが8割を占め、消費力の面では限界があります。
一方、富裕層やハイレベル層は、東京国際空港(羽田)発のレガシー便を利用する傾向が強く、こちらへのアプローチが重要です。

●戦略的PRのすすめ

今月のテーマ「激動の始まり」は、単なる数の増加だけではありません。 LCCによる流入増加に加え、サービス展開の効率化には「東京経由の旅まえ客」や「札幌市内の外資系高級ホテル」へのPRが鍵となります。

●地方の実態とデータの遅れ

観光庁の数値は東京・大阪中心で、地方の実態が見えづらいのが現状です。 2024年度(昨年4月~今年3月)の北海道・札幌のインバウンド数は、コロナ前比で約-2%。地方では-5%~-10%の予測もあります。
JNTOの月次発表と比較したいところですが、北海道や自治体の発表は9ヶ月~1年遅れ。実態把握が難しく、悩ましい状況です。

●地方情報の発信の重要性

訪日客のニーズに応えるには、地元の数値を先に捉え、現場の情報をダイレクトに伝えることが不可欠です。
情報がまとまっていないと、せっかくの努力も無駄になります。
悠悠北海道の海外発信力と、現場との連携を活かし、何をどう発信するかを一緒に考えましょう。

<もう一つの「激動」:北海道版アドベンチャーツーリズム(AT)>

2023年、北海道でATWS(アドベンチャートラベル・ワールド・サミット)がアジア初開催。日本(特に北海道)の自然・文化体験が世界に発信されました。
ATは1980年代にニュージーランドで始まり、世界中に広がった旅のスタイル。 ラフティング、登山、カヌー、バンジーなど、身体を動かしながら地域の自然・文化を楽しむ旅です。

●北海道版ATの成長予測

・2024年:北海道のAT人口 約16万人
・2030年:320万人(20倍)を目指す成長市場

国が定義するATの推進はまだ時間がかかりますが、国内の国立公園では自然体験は過去最高の盛り上がり。 来年6月以降、北海道版ATの爆発的な人気を予測しています。

●新しい地図の発行開始!

毎年海外で配布していた「北海道の人気観光スポット地図」を、 今年から「北海道の体験スポット地図」に変更し、発信を開始しました。

北海道の自然体験・文化体験の特集
 
 1、海外での配布地図(場所と概要)+
 2、海外発信の多言語TOPページ+
 3、各地の詳細ページ 

でまとめて発信する、超お得なピーアール媒体を用意しました。

<今月のポイントのまとめ>

 1、2024年度の来道インバウンド数:287万人→2030年度目標:500万人(1.74倍)
 2、新千歳空港定期就航便:32便/日→46便/日に急増
 3、北海道版AT:16万人→320万人(20倍)
 4、自然体験観光は長時間滞在型→=前泊・後泊で消費額アップ
 5、ターゲット1=国内、東アジア、東南アジア、欧米豪
 6、ターゲット2=LCC客とレガシー客へのアプローチ
 7、観光情報の発信方法の見直し
 8、その他

<注意点>

 1、繁忙期・ピーク期(2月7月8月)だけでは対応困難→札幌圏との連携が必要
 2、繁忙期前後と閑散期の誘導
 3、「増える、来る」だけに頼るとオーバーツーリズムの懸念
 4、観光メニューの切り口を変える必要あり
 5、ガイドや案内人の感動、ワクワク感が町の魅力に、価値に
 6、地元の「今の情報」にこそ価値あり
 7、その他

<おすすめアクション>

 1、2026年からの発信・データ取得を一緒に進めましょう
 2、体験型観光へのつなぎ方を考える
 3、2026年を初年度とした3年計画でリスクを抑えた成長を
 4、混乱・クレームの回避策を事前に検討
 5、その他

今月もよろしくお付き合いください。  


2025年11月のTaka’s Log 「激動の始まり」

 1、地域観光における 「今の情報」作り
 2、来年の観光市場はどう動くか
 3、北海道版ATとスポーツ観光の可能性
 4、地域観光の最大の課題
 5、悠悠北海道の10月データ


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2025.11.10
シーダースコミュニケーションズ株式会社

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